
近年、「発達障害」と診断される子どもが増えています。今では、全体の3割もの人が何らかの障害特性を持っているとも言われています。
ひと昔前までは、今でいう発達障害の特性も、「その人の個性」や「ちょっと変わった子」として受け止められていた時代がありました。しかし、現代ではそれらに「障害」という名前がつけられ、支援が必要だとされるようになっています。
たしかに、知的発達の遅れが大きい場合は、日常生活を送るうえで困難を感じることがあります。自閉傾向が強ければ、人との関わりに壁を感じることもありますし、多動傾向があれば、周囲とのトラブルにつながることもあります。
けれど、それらの特性は「白か黒か」で簡単に区別できるものではありません。人それぞれがグラデーションの中にあり、社会生活に支障がなければ“白”とされることも多いのが現実です。
二次障害が生まれる背景
発達障害のある子どもたちは、周囲の注意や否定に過敏に反応しやすく、衝動的に暴言を吐いたり、感情が爆発してしまうことがあります。こうした反応が「問題行動」と見なされ、ますます「障害児」というレッテルが強まってしまうことがあります。これがいわゆる“二次障害”と呼ばれるものです。
しかし、私たちは忘れてはなりません。生まれ持った脳の構造を根本的に変えることはできなくても、どのような環境で、どのような関わり方で育てていくかによって、子どもの成長は大きく変わるのです。
綱島教室での実践
当塾・綱島教室にも、入塾時に「うちの子は発達障害があります」と明言してくださるご家庭もありますが、多くの場合は特に伝えられることはありません。
それでも、実際に子どもたちと接する中で、「あ、この子にはこういう特性があるのかもしれない」と気づくことがあります。私たちの感覚としては、綱島教室に通う生徒の半数近くが、何らかの発達的な特性を持っていると感じています。
落ち着いて学べる理由
しかし驚くのは、そうした子どもたちが、当塾ではとても落ち着いて勉強しているということです。お母さんから聞く話とは大違いで、「本当に障害があるの?」と感じるほど、集中して学習に取り組めているケースがほとんどです。
その理由は、当塾が採用している自立学習スタイルにあります。子ども自身が教科書としっかり向き合い、自分のペースで「わかる」を積み重ねていく。それが、彼らにとってストレスが少なく、安心できる学習環境となっているのです。ストレスがないから2次障害が発生せず安心して勉強ができる原因になっているものと思います。
子どもの可能性は、環境で変わる
誰もが自分に合った環境の中でこそ、本来の力を発揮できます。発達障害という言葉にとらわれることなく、その子自身をよく見て、どう導くかを考える。私たちは、そうした姿勢を大切にしています。
こうして一人、また一人と「落ち着いて学べる子」が増えていった結果、自然と通ってくださる生徒も増えてきたのだと感じています。
これからも私たちは、一人ひとりの「ちがい」を大切にしながら、最適な学びのかたちを一緒に見つけていきたいと思っています。