第5章 保護者の悩みに答えるコラム**(1)塾に通っているのに伸びない理由

成績の上がる仕組み

塾に通っているだけでは、成績は上がりません。
大切なのは、その時間の中で子どもの頭が本当に動いているかです。

「塾に通っているのに、成績が上がりません」

保護者の方から、このような相談を受けることがあります。

週に何回も塾に行っている。
授業も受けている。
宿題も出されている。
テスト前には追加で勉強している。

それなのに、思ったように成績が上がらない。

このようなとき、保護者の方は不安になります。

「塾が合っていないのだろうか」
「もっと授業を増やした方がよいのだろうか」
「本人のやる気が足りないのだろうか」
「このままで受験に間に合うのだろうか」

そう感じるのは当然です。

しかし、塾に通っているのに成績が伸びないとき、原因は一つではありません。

大切なのは、塾に通っているかどうかだけではありません。

その塾の時間の中で、子どもの頭が本当に動いているかどうかです。

先生の説明を聞いている。
ノートを取っている。
問題を解いている。
宿題を出されている。

これだけを見ると、勉強しているように見えます。

しかし、その中で子どもが、

「なぜそうなるのか」
「どこがわからないのか」
「どう考えれば解けるのか」
「間違えた理由は何か」
「次に同じ問題が出たら自分で解けるのか」

を考えていなければ、成績にはつながりにくくなります。

塾に通っているのに伸びない子には、いくつかの共通点があります。

一つ目は、授業を聞いて「わかった気」になっていることです。

先生の説明はわかりやすい。
聞いていると、なるほどと思う。
板書を写すと、勉強した気になる。

しかし、先生の説明を聞いてわかることと、自分で解けることは違います。

先生が説明してくれている間は、先生の理解の流れに乗っています。
先生が問題を整理し、順番を示し、考え方を言葉にしてくれます。

そのため、その場ではわかったように感じます。

しかし、テストでは先生はいません。

自分で問題文を読み、何を聞かれているのかを判断し、どの解き方を使うかを選ばなければなりません。

授業中はわかるのに、テストになるとできない。
説明を聞けばわかるのに、一人では解けない。

この場合、先生の説明を受け取る勉強で止まっている可能性があります。

二つ目は、問題を解いて終わっていることです。

塾では、多くの問題を解くことがあります。
問題演習は大切です。

しかし、問題をたくさん解くだけでは、成績は上がりません。

大切なのは、間違えたあとです。

なぜ間違えたのか。
どこで考え方がずれたのか。
教科書のどこに戻ればよいのか。
次に同じような問題が出たら、どう考えればよいのか。
もう一度自分で解き直せるのか。

ここまでやって、初めて問題演習は力になります。

丸つけをして、赤で答えを書いて終わり。
解説を見て、なんとなく納得して終わり。
次の問題に進んで終わり。

この勉強では、間違いが成績につながりません。

三つ目は、教科書や基本に戻っていないことです。

成績が伸びない子の中には、問題集ばかり進めている子がいます。

もちろん、問題集は必要です。
しかし、基本が理解できていないまま問題だけを解いても、つまずきは残ります。

言葉の意味がわからない。
教科書の説明が理解できていない。
例題の考え方が入っていない。
前の単元とのつながりが見えていない。

この状態で問題演習を続けても、根本的な理解は深まりません。

わからないときには、教科書に戻ることが必要です。

教科書を読み、言葉の意味を確認する。
例題を見て、考え方の流れをたどる。
なぜその式になるのかを考える。
本文と問題をつなげる。

この作業が、理解を深めます。

四つ目は、塾での勉強が受け身になっていることです。

先生が説明してくれる。
先生が答えを教えてくれる。
先生が次にやることを決めてくれる。
子どもはそれに従って進める。

この形は、一見すると安心に見えます。

しかし、子どもが受け身のままだと、自分で勉強を進める力が育ちにくくなります。

成績を上げるためには、塾の中だけでなく、塾の外でも勉強できる力が必要です。

自分で教科書を開く。
自分で読む。
自分で意味を考える。
自分でわからないところを見つける。
必要なところを先生に質問する。
もう一度自分で解き直す。

この力が育たないと、塾にいる時間だけは勉強しても、家での勉強が止まってしまいます。

本当に差がつくのは、先生がいない時間です。

塾に通っているのに伸びない子は、塾で教えてもらう時間はあっても、自分で学ぶ力が十分に育っていないことがあります。

五つ目は、理解が浅いまま進んでいることです。

「授業ではわかった」
「同じ問題ならできた」
「答えを見ればわかる」
「解説を読めばなんとなくわかる」

この状態では、まだ理解が浅いことがあります。

テストでは、問題の形が変わります。
聞かれ方も変わります。
少し応用された形で出されることもあります。

そのときに必要なのは、表面的な理解ではありません。

なぜそうなるのかがわかること。
自分の言葉で説明できること。
間違えた理由がわかること。
少し形が変わっても考えられること。

この状態まで理解を深める必要があります。

マイジャイロでは、この状態を「完全理解」と考えています。

答えが合ったかどうかだけではなく、なぜそうなるのかまで理解すること。
先生の説明を聞いて終わるのではなく、自分の頭で理解し直すこと。
問題を解いて終わるのではなく、間違いを見直して自分の力に変えること。

ここが、成績を伸ばすためには重要です。

塾に通っているのに伸びないとき、ただ授業時間を増やすだけでは解決しないことがあります。

必要なのは、勉強の中身を変えることです。

聞くだけの勉強から、読む勉強へ。
教えてもらう勉強から、自分で理解する勉強へ。
問題をこなす勉強から、間違いを直して深める勉強へ。
塾にいる時間だけの勉強から、先生がいない時間にも進められる勉強へ。

この変化が必要です。

マイジャイロでは、先生が最初から全部説明して終わる指導ではありません。

まず子どもが教科書を読みます。
自分で意味を考えます。
自分でどこがわかり、どこがわからないのかを見つけます。
どうしてもわからないところを先生が助けます。
そして、もう一度自分で考え直します。

この流れを大切にしています。

なぜなら、成績を上げるのは、先生が話した時間だけではないからです。

子どもの頭が動いた時間です。

自分で読み、
自分で考え、
自分で理解し、
自分で解き直す。

この時間が増えると、勉強は受け身ではなくなります。

もちろん、先生の説明は大切です。

わからないところを助ける先生の役割も大切です。

しかし、先生の説明だけに頼ってしまうと、子どもは自分で学ぶ力を育てにくくなります。

マイジャイロが大切にしているのは、教えすぎず、放置もしない指導です。

先生がすべてを先に説明するのではなく、子どもがまず考える。
しかし、わからないまま放置はしない。
必要なところで先生が助ける。
そして、もう一度子ども自身の理解に戻す。

この繰り返しが、自立学習につながります。

塾に通っているのに伸びない。

その理由は、塾に行っていないからではありません。
勉強時間がまったくないからでもありません。

塾での時間が、子ども自身の理解に変わっていない可能性があります。

授業を聞いた。
問題を解いた。
宿題をやった。

そこで終わらず、

自分で読めるか。
自分で考えられるか。
自分で解き直せるか。
自分で説明できるか。
先生がいない時間にも進められるか。

ここまで見ることが大切です。

マイジャイロは、子どもを「塾に通っているだけ」の状態で終わらせません。

塾の時間を、子どもの頭が動く時間に変える。
先生の説明を、自分の理解に変える。
間違いを、次にできる力に変える。
塾での学びを、家でも進められる勉強に変える。

この流れを作ることで、成績は少しずつ変わっていきます。

塾に通っているのに伸びないと感じたときは、塾に行っているかどうかだけを見るのではなく、そこでどのような勉強をしているかを見ることが大切です。

成績を上げるのは、塾にいる時間そのものではありません。

その時間の中で、子どもの頭がどれだけ動き、自分の理解をどれだけ作れたかです。