第3章 集中とやる気のしくみ*******(1)集中できないのは意志が弱いからではない

成績の上がる仕組み

集中できないのは、意志が弱いからとは限りません。
「集中に入れる状態」がまだ整っていないだけかもしれません。

子どもが勉強に集中できない。

机に向かっても、すぐに手が止まる。
教科書を開いても、なかなか読み始めない。
問題を解いていても、すぐに別のことを考えてしまう。
注意すると、その時だけ少し集中するが、しばらくするとまた元に戻ってしまう。

このような様子を見ると、保護者の方は、

「もっと集中しなさい」
「やる気を出しなさい」
「なぜ続かないのか」

と言いたくなるかもしれません。

しかし、集中できない原因を、単に「意志が弱いから」と考えてしまうと、本当の問題を見落としてしまうことがあります。

集中とは、気合いだけで作るものではありません。

子どもが集中できるかどうかは、勉強に入る状態、課題の難しさ、理解のしやすさ、周囲の環境によって大きく変わります。

たとえば、教科書を読んでも意味がわからない。
問題を見ても、何をすればよいかわからない。
前に習った内容が抜けていて、今の内容につながらない。
どこから手をつければよいかわからない。

このような状態では、集中しようとしても難しくなります。

子どもは、わからないことに長く向き合うと、苦しくなります。
苦しくなると、気持ちは勉強から離れていきます。
そして、結果として集中できなくなります。

つまり、集中できないのは、意志が弱いからではなく、勉強が「集中に入れる状態」になっていないからかもしれないのです。

集中には、入り口があります。

まず、何をすればよいかがわかること。
次に、少し考えれば手が動くこと。
そして、やっていることの意味が少しずつ見えてくること。

この状態になると、子どもは勉強に入りやすくなります。

反対に、何をしているのかわからないまま机に向かっていると、集中は続きません。

教科書の言葉がわからない。
問題の意味がわからない。
なぜその解き方になるのかわからない。
何を覚えればよいのかわからない。

この状態で「集中しなさい」と言われても、子どもは困ってしまいます。

集中するには、まず「わかる入口」を作ることが大切です。

マイジャイロでは、子どもにいきなり難しい問題を解かせることを重視していません。

まず教科書を読みます。
自分で意味を考えます。
どこがわかり、どこがわからないのかを確認します。
そして、どうしてもわからないところを先生が助けます。

このようにして、少しずつ「わかる状態」に近づけていきます。

子どもは、わかり始めると集中しやすくなります。

「ああ、そういうことか」
「ここまではわかる」
「これならできそうだ」

この感覚が出てくると、勉強に向かう気持ちが生まれます。

集中は、無理やり作るものではありません。
理解が進むことで、自然に深まっていく面があります。

もちろん、環境も大切です。

周囲が騒がしい。
スマートフォンが近くにある。
何をするかが決まっていない。
時間だけが長く設定されている。
課題が難しすぎる。

こうした状態では、子どもは集中しにくくなります。

集中を作るには、環境を整えることも必要です。

静かな場所で勉強する。
やることをはっきりさせる。
短い時間から始める。
最初に取り組む課題を難しすぎないものにする。
少しできた感覚を作る。

このような工夫によって、集中に入りやすくなります。

集中できる子は、ただ我慢強い子ではありません。

集中に入る条件が整っている子です。

何をすればよいかがわかっている。
今やっていることの意味がわかっている。
少し考えれば前に進める。
わからないところは先生に助けてもらえる。
できた感覚を少しずつ積み重ねられる。

このような状態になると、子どもは集中しやすくなります。

一方で、集中できない子を叱り続けても、状況はなかなか変わりません。

「集中しなさい」と言われた瞬間だけ姿勢を正しても、勉強の中身がわからなければ、またすぐに集中は切れてしまいます。

大切なのは、集中を命令することではありません。

集中できる状態を作ることです。

マイジャイロでは、子どもが集中できないとき、その子の意志の弱さだけを見ません。

何がわからないのか。
どこで止まっているのか。
課題が難しすぎないか。
教科書の言葉が理解できているか。
勉強に入る環境が整っているか。

こうした点を見ながら、子どもが集中に入れる状態を作っていきます。

集中は、成績を上げるうえで欠かせません。

しかし、集中は「頑張れ」と言えば生まれるものではありません。

わかるから、集中できる。
少し進むから、続けられる。
できそうだと感じるから、頭が動く。

この流れができたとき、子どもの集中は少しずつ深まっていきます。

集中できないのは、意志が弱いからとは限りません。

集中に入るための条件が整っていないだけかもしれません。

だからこそ、成績を上げるためには、子どもを責めるのではなく、集中できる勉強の状態を作ることが大切です。

マイジャイロが目指しているのは、子どもに無理やり集中させることではありません。

自分で読み、
自分で考え、
少しずつわかるようになり、
自然に集中が深まっていく勉強です。

集中できる子は、意志が強い子ではありません。

集中できる状態に入れた子です。

その状態を作ることが、成績を上げる第一歩になります。