第3章 集中とやる気のしくみ*******(5)勉強が苦行から、夢中になる時間へ変わるとき

成績の上がる仕組み

勉強が苦行から変わるのは、子どもが「わかる」「できる」「前に進んでいる」と感じ始めたときです。

勉強は、多くの子どもにとって楽しいものではありません。

やらなければならないもの。
親に言われて仕方なくやるもの。
テストのために我慢してやるもの。
できれば避けたいもの。

このように感じている子どもは少なくありません。

しかし、勉強はいつまでも苦行のままとは限りません。

勉強の中身が変わると、子どもの感じ方も変わります。

わからないまま続ける勉強は苦しいものです。
教科書を読んでも意味がわからない。
問題を見ても何をすればよいかわからない。
先生の説明を聞いたときはわかった気がしても、一人では解けない。
間違えても、なぜ間違えたのかわからない。

この状態では、勉強はつらいものになります。

子どもは、勉強に向かうたびに「できない」「わからない」という感覚を味わいます。
その経験が続くと、勉強は苦行になります。

「どうせできない」
「やっても無理」
「勉強は嫌い」
「早く終わらせたい」

こうした気持ちが強くなると、集中も続きません。
やる気も出ません。
机に向かっても、頭は勉強に向かいません。

しかし、勉強が「わかる勉強」に変わり始めると、子どもの状態は少しずつ変わります。

教科書の言葉の意味がわかる。
文章の流れが見えてくる。
例題の考え方がわかる。
問題の意味がわかる。
自分で一問解ける。
前にできなかった問題が、今日はできる。

このような小さな変化が起きると、子どもの中に新しい感覚が生まれます。

「ああ、そういうことか」
「ここまではわかる」
「これならできそうだ」
「もう少しやってみよう」

この感覚が出てきたとき、勉強は少しずつ苦行ではなくなります。

もちろん、急に勉強が大好きになるわけではありません。
すべての教科が楽しくなるわけでもありません。
難しい問題に向かえば、苦しさを感じることもあります。

それでも、「わかる」「できる」「前に進んでいる」という感覚があると、子どもは勉強に向かいやすくなります。

勉強が変わる大きなきっかけは、理解です。

わかるから、手が動きます。
手が動くから、集中に入ります。
集中するから、さらに考えます。
考えるから、理解が深まります。
理解が深まるから、また「できた」が増えます。

この流れに入ると、勉強はただ我慢する時間ではなくなります。

子どもの頭が動いている時間になります。

集中している子どもは、必ずしも楽しそうに笑っているわけではありません。
静かに教科書を読んでいることもあります。
黙って問題に向かっていることもあります。
間違えたところをじっと見直していることもあります。

外から見ると、ただ静かに勉強しているだけに見えるかもしれません。

しかし、その中で子どもの頭は動いています。

「なぜこうなるのか」
「どこで間違えたのか」
「前に習ったこととどうつながるのか」
「もう一度やればできるかもしれない」

このように考えているとき、子どもは勉強の中に入っています。

この状態が、勉強が苦行から夢中になる時間へ変わり始める瞬間です。

夢中になるとは、遊びのように楽しいという意味だけではありません。

自分の頭が動いている。
少しずつわかってくる。
できなかったことができるようになる。
もう少し進めてみたいと思う。

このような状態も、立派な「夢中」です。

マイジャイロでは、この状態を大切にしています。

ただ長時間座らせることを目指しているわけではありません。
ただ大量に問題を解かせることを目指しているわけでもありません。
ただ先生の説明を聞かせることを目指しているわけでもありません。

子どもが自分で教科書を読み、
自分で意味を考え、
わからないところを見つけ、
必要なところを先生が助け、
もう一度自分の頭で理解する。

この流れを大切にしています。

先生が最初から全部説明してしまえば、子どもは受け身になりやすくなります。
反対に、わからないまま放置すれば、勉強は苦しくなります。

だから大切なのは、教えすぎず、放置もしないことです。

子どもが自分で考える時間を守る。
しかし、わからないところでは先生が助ける。
そして、子ども自身が「わかった」「できた」と感じられるところまで導く。

この積み重ねによって、勉強への感じ方は少しずつ変わっていきます。

最初は、やらされる勉強だったかもしれません。
最初は、苦しいだけの勉強だったかもしれません。
最初は、机に向かうことさえ嫌だったかもしれません。

しかし、小さな「わかった」が生まれる。
小さな「できた」が積み重なる。
少しずつ集中できる時間が増える。
自分で読めるようになる。
自分で考えられるようになる。
自分で進められるようになる。

この変化が起きると、勉強はただの苦行ではなくなります。

自分が前に進んでいることを感じられる時間になります。

成績を上げるためには、努力が必要です。
反復も必要です。
我慢が必要な場面もあります。

しかし、勉強がいつまでも苦しいだけでは、子どもは続きません。

続く勉強にするためには、わかることが必要です。
できることが必要です。
前に進んでいる感覚が必要です。

勉強が苦行から夢中になる時間へ変わるのは、子どもが自分の頭で理解し始めたときです。

「わからない」から「わかる」へ。
「やらされる」から「自分で進める」へ。
「苦しいだけ」から「少しずつ前に進む」へ。

この変化が、子どもの勉強を変えていきます。

マイジャイロが目指しているのは、この変化です。

集中して、
完全に理解し、
自分で進める。

その流れに入ったとき、勉強は苦行ではなく、自分の成長を感じられる時間へ変わっていきます。